予告通り!

1. はじめに
結論から言うと、Lands側が7:3で有利です

ひとえにゲームプランがLands側に優位であること
そしてカギになるカードの種類、枚数、アクセス手段。これがLands側がデスタク側を上回るからです

さて、そのキーカードとは何でしょうか?


答え↓

Lands:溶鉄の渦、罰する火
デスタク:聖域の僧院長、ファイレクシアの破棄者


恐らくは殆どの方がすぐわかったかと思います


「ビートダウンvsコントロールではなく、コンボ対決になる」

これがこのマッチを語る上での前提認識になります


2. コンボ対決
まず、それぞれのデッキにおける勝ち筋を確認します

【Lands】
・土地嵌め
霊気の薬瓶を有する上、基本土地が8枚程度入っているため効き辛い
幽霊街ロームに持ち込むには対処すべきクリーチャーが多く、時間がかかる

・マリット・レイジ
剣を鍬に、薬瓶からのちらつき鬼火、カラカスと止める手段が豊富
更に不毛の大地、セラの報復者もある

・罰する火
クリーチャーが多く、本体を20点削るには時間がかかる


お世辞にも上2つは有効とは言えません
必然的に、長期戦になる場合が多くなります


【デスタク】
・土地嵌め
Lands側の土地枚数が多く、モックス・ダイアモンドがあり、壌土からの生命で回収される
薬瓶から不毛連打のイージーウィンはほぼ狙えません

・装備品+ビートダウン
罰火でクリーチャーは捌かれ、単騎で殴ってもイス卿の迷路で止まります
不毛、リシャーダの港で退かすにも回収される上、輪作への対応手段がありません
つまり数を並べる必要があり、これも時間がかかります


さて、こうして比べると一見長期戦になるように見えますが、実際はLands側が攻め続けることになります

・不毛の枚数が事実上無限vs4枚なこと
・デスタク側の攻撃は大凡3発耐えれるのに対し、マリットは一撃なこと
・罰する火がライフを狙えること

特にデスタク側に輪作への回答が無いのが致命的で、一撃死のリスクを常に背負いながら盤面が徐々に不利になっていく


はずでした



そうです、聖域の僧院長の登場です


ご存知の通り、罰火とロームが止まるため、勝ち手段が事実上マリットぶっぱに限られることになります
先述のとおりデスタクは対処手段を多く有するため、ぶっぱを処理されて負けというのはよく見る光景ですね


そこで採用されたのが溶鉄の渦です

無尽蔵にショックが撃てるこのカードは1枚で完封するほどの強さを誇ります
メインボードではロームに対処する手段は僧院長1枚のみ…
しかし、渦を止めるカードが1種類のみ存在します



そう、ファイレクシアの破棄者ですね


ロームと罰火を止める必要があるため、デスタク側の勝ち手段は次になります

「聖域の僧院長で2を指定し、ファイレクシアの破棄者で溶鉄の渦を止める」


一方Lands側はこの負け手段を消すことが勝利に繋がります。つまり、

「溶鉄の渦と罰する火エンジンを揃える」


僧院長+破棄者 vs 渦+罰火。コンボマッチですね


3. 有利と不利とサイドボード
前述のとおり、基本的にはLands側が有利にゲームを進めることになります
一方、僧院長さえ着地すれば渦以外で対処されず、デスタク側が速やかに殴りきるでしょう

それぞれの採用枚数は僧院長が1~2、破棄者2~3、サーチ用の護衛募集員1~3
渦が1、罰火が4、そしてギャンブル4

罰火は発掘の過程で落ちてもOKですが、同時に渦が落ちてしまうリスクがあります
通常ドローで渦やギャンブルを探しに行く必要があること、互いに青くないことから、単純な枚数差でLands側が若干リードといったところでしょう

なお、蛮族のリングを採るとロームで拾える、僧院長に対し輪作が回答になる、ルーンの母の紛れが起こらない、とここまでの前提が全て崩れます
メインボードでは8:2がつくでしょう


さて、サイドボードに話題を移します
デスタク側から入ることが想定されるのが次になります

追加の僧院長、フェアリーの忌み者、流刑への道、外科的摘出、大変動、安らかなる眠り、ゼンディカーの同盟者ギデオン


Lands側は私のリストでは次のように入れ替えます

in 不屈の追跡者3、クローサの掌握2、真髄の針、Drop of Honey
out 踏査1、壌土からの生命1、輪作2、ボジューカの沼、リシャーダの港1、The Tabernacle at Pendrell Vale


マリット・レイジがフィニッシャーとして信用できず、壌土からの生命も十全に機能しないため、そこに依存したカードを減らします

不屈の追跡者は以前の世界を目覚めさせる者、ニッサほどの制圧力はありません
地上は止まりやすく、ちらつき鬼火でサイズはリセットされてしまいます
そのため、虚空の杯の投入は十分検討に値します
僧院長の処理は難しくなりますが、イージーウィンを狙いやすくなります

さて、サイドボード後も目指すプランは変わりません
罰火でクリーチャーを捌きつつ、僧院長の定着を妨害します

青いデッキとは異なりサイドボードを積極的に探すことが難しく、また対策の過程で必ずアドバンテージを失うので、過度にケアする必要はありません
またクローサの掌握で薬瓶を割ると、展開が遅くなる上に鬼火のケアが不要となり、優位にゲームを進めることができます



4. Tips
このマッチで心がけることを少しだけ載せておきます

・むやみに発掘しすぎない
発掘連打から何も落ちず、うっかり出てきた僧院長に完封されるのが典型的な負けパターンです。最重要事項は自分を伸ばすことではなく、僧院長を止めることです

・ギャンブルを無駄撃ちしない
渦を能動的に探す唯一の手段です。盤面を支えるに罰火が必須な場面ならいざ知らず、ただ展開のためにロームをサーチするのは悪手です
また渦サーチに失敗するリスクを少しでも下げるために、むやみに土地を置き続けるのは避けましょう

・相手の手札を読む
イス卿の迷路がある以上、相手はクリーチャーを並べる必要があります。つまり、長いターン手札に残り続けるカードはまず剣を鍬にです
また、薬瓶のカウンターを3で止めたままターンを返すのは一見鬼火に思えますが、盤面に護衛募集員がいる場合はほぼブラフです。手札にあるならブリンクしてもう一度サーチできますね
このように、渦まく知識を使えないかつ愚直なビートダウンという特性上、手札は基本的に透けます
対応が無いという確信が持てる場面ではしっかりとマリットで殴りましょう


5. 最後に
互いに負けに直結するルートが存在するため、見た目よりずっと複雑なマッチになります
フルセット50分を戦いきることも多々あるので、素早くプレイすることも重要です
この記事が参考になれば幸いです
以上、質問等々があればお気軽にどうぞー

コメント

hato
2017年7月14日6:04

双方とも全く触ったこと無いのですが質問です…
一見タバナクルは有効そうに見えるのですが、僧院長+破棄者コンボに対しては劇的では無いためサイドアウトということなのでしょうか?
そもそも罰火+渦で有効と言えるほど肉が残らない前提ということなのでしょうか?

べーす
2017年7月14日20:15

まず、タバナクルはマナを縛るのではなく、支払い不可の除去に追い込むのが本来の役割になります

デスタクは基本地形が多いこと、薬瓶の存在から上の状況に追い込むことは不可能に近く、また減速もさほど期待できません
後続が続かないほど支払わせられる状況は、つまりクリーチャーが十分に並んでいる、敗勢の場面です

消して弱いカードではありませんが、他の候補カラカス、輪作よりは優先度が落ちるためサイドアウトとしています

hato
2017年7月16日10:51

なるほど...
不毛ロームで土地を縛りきれている状態がタバナクルが有効な場面で、デスタクに対してはそれが難しいためサイドアウトということなのですね。

ご丁寧に回答ありがとうございます。

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